Love From A Distance
ローレルクラブ所属の出資馬で、僕にとって初めての命名馬でもあるフロムディスタンスの引退が先日発表されました🐴
そのことに関して、自分なりの想いを綴っていきたいと思います
※はじめに、僕自身は命名権を頂戴したというだけの立場であって、あくまでも本馬に出資している会員の一人にすぎません
命名馬ゆえ、彼に対して特別な思い入れがあるのは確かですが、いち出資者が愛馬の引退に際して綴った文章ということを念頭においてお読みいただければ幸いでございます
フロムディスタンス ※引退
3歳 牡[1勝クラス]ローレルC
村田牧場 生産馬
美浦・大竹正博厩舎
父:ヘニーヒューズ
母:ハーランズルビー
2021/11/24
本馬の今後について関係者間で協議した結果、競走馬登録を抹消し、乗馬として茨城県牛久市のライディングチームリグループへ譲渡しました。これまで本馬を応援していただき、誠にありがとうございました。
フロムディスタンス号の早すぎる引退が決まった。
クラブから正式な登録抹消の発表があった日は、奇しくも僕の誕生日だった。
とびっきりの期待感に胸を躍らせながら出資を決めたあの日から、わずか2年4ヶ月しか経っていない。
まだ3歳という若さだっていうのに、彼の現役生活がこんな唐突なエンディングを迎えることになるだなんて…あの日の自分は夢にも思っていなかっただろう。
ロムくんことフロムディスタンスは近年目覚ましい躍進を続けている村田牧場の出身。
GⅡ 日経新春杯の勝ち馬で、古馬GⅠ戦線でも上位に入る活躍をみせているモズベッロらを兄にもつ。
本馬は父がヘニーヒューズに替わった為、芝コースを得意とするモズベッロとは適性面が異なり、ダート戦線における飛躍が期待されていた。
未来のダート王を目指し健やかに過ごす毎日の中、彼はいつのまにか500kgを優に超える大型馬へと成長を遂げる。
その逞しくて強そうな身体とは裏腹に、とても穏やかな手の掛からない仔で、ちょっぴり甘えん坊で優しい心を持った男の子に育ってくれたことも誇らしい。
結果的に見れば、ロムくんが競馬を使えたのはトータルでわずか3回だけだ。
相当に少ない生涯出走数ではあったものの、彼は見事デビュー2戦目の3歳未勝利を勝ち上がることに成功する。
電撃のスプリント戦において致命的とも言えるスタートの出遅れがあったにも関わらず、そこから猛然と巻き返す強い競馬を披露して、中山競馬場のゴール板を一番最初に駆け抜けてくれた。
我々を歓喜の渦へと誘ってくれた鮮烈なレースの後、ほんのり自慢気な表情で佇んでいた彼の姿を昨日のことのように思い出す。
降り続く小雨で濡れた肌や、茶色い泥が染みこんだ脚元のバンテージでさえも、まるで化粧を施されたかのようにすべてがキラキラして見えた。
パドックを共に周回する同級生たちと比べても、良い意味で極太な馬体は一際目立っていたし、醸し出す迫力はさながらジェフ・コブ(筋骨隆々のプロレスラー)
その馬体から放たれる強大なパワーは先述した初勝利の際にも遺憾なく発揮されており、力を要す冬の中山ダートコースをゴール前の急坂すら物ともせず、グイグイ伸びた末脚は圧巻の一言だった。
しかし、まさにこれは諸刃の剣みたいなもので、トレセンに入厩して本格的な調教をスタートしてからというもの、巨体を支え続ける細い脚が少しずつ悲鳴をあげ始めていた。
やがては慢性的な脚部不安として、じわじわとロムの脚元を蝕んでいくことになる。
大竹厩舎でも外厩の松風馬事センターさんでも、決して無理をさせるようなことはなかったように思うし、たとえば装蹄療法なども試されつつ、様子を見ながら大事に大事に扱ってもらってきた印象が強い。
いつもロムくん自身は速く強く、全力の本気走りをしようとしてくれてるのに…そうすればするほど脚元に負担が掛かってしまうというジレンマ。
成長と共に脚元が固まることを願いながら、慎重に慎重を重ねながら調整されてきたけれど、ついに彼の"ガラスの脚"は自らの荷重に耐えることができなくなり、とうとう限界を迎えてしまったんだ。
ロムくんと我々が描いてきた煌びやかで大きな夢。
大変残念なことに、それは3歳の秋に儚くも散りゆく運命だったらしい。
生まれ持ったポテンシャルは間違いなく高かったはずで、仮に無事ならばあの1勝だけで終わっていたようには到底思えない。
「願わくばパドックから返し馬の様子、そしてゲートを飛び出してゴールまで力強く走り抜く彼の姿を、もう何回かだけでいいから観ていたかったな…」というのが偽らざる自分の本音。
もっと言えば、村田牧場さんやクラブ・厩舎陣営のみなさまと"歓喜や感謝の言葉"をたくさん交わしたかったし、なにより出資者の方々と一緒に"みんなの想いを乗せた熱い声援"をロムの元に届けたかった。
コロナ禍にあって、僕は競馬場でも外厩さんでも実馬に会うことができていない。
2019年秋に北海道のファンタストクラブさんにて、まだあどけない表情をした1歳の彼と触れ合ったのが最初で最後になってしまった。
本馬に限らず愛馬の引退はいつだって悲しいことの方が多いけれど、そんな経緯もあってか今回の引退についてはいつも以上に悔しさが増す。
コロナ禍と競走馬デビューの時期が重なってしまったことは只々残念だし、無念でならない。
だけど、乗馬として第二の馬生をスタートできたことは何よりも良かったこと。
彼の行方がどうなるんだろうかと不安に思っていたりもしたから、心の底からホッとした。
受け入れてくださったライディングチームリグループさん、そして受け入れ先の確保に尽力していただいた大竹先生はじめ関係者のみなさまには感謝の気持ちでいっぱいだ。
ひとまずは屈腱炎を治すことが先決だろうし、少しの間ゆっくりと休んでもらいたいと思う。
ロムは性格が良くて絶対乗馬に向くと思うから、ぜひともスキルアップしてもらって、大きな大会でも活躍できるようなグッドライディングホース目指してがんばってほしい。
コロナ禍であったり譲渡先のご事情であったり、今後もし諸々の条件がクリアになった暁にはぜひとも会いに行って、思いっきり労ってあげたいな。
ロムくんみたいに実がたっぷり詰まったニンジンを携えて。
実は去る11月26日、『RYO the SKYWALKER “THE LIVE” 20th Anniversary』のアーカイブ配信を視聴しました
その中で"ロムくんを命名した際の発想の源になった楽曲"From DistanceをRYOさんとゲストのPUSHIMさんが歌ってくれたんです🎤
大好きなHome Grownの生演奏に乗せて歌われた2021年バージョンのFrom Distanceは本当に素敵なサウンド&パフォーマンスで、音とエモのハーモニーに揺れながら、なんだか胸がいっぱいになってしまいました
このタイミングでこの曲を、しかも最強のセッションの最高なバージョンで聴くことができたことは、自分の誕生日にロムくんの引退がアナウンスされたことと合わせて、きっと何かの意味があるに違いない…!!
でもね、それは独りよがりで都合が良すぎる解釈で、偶然がたまたま重なっただけだと思われます( ´_ゝ`)
ま、こんなとびっきり自己満足なプロセスだとしても、ロムくんの引退で心にポッカリと大きな穴が空いてしまってた自分の感情のベクトルが、また前を向いたのは紛れもない事実。
その結果、ようやくこの文章を書き終えることができました✋
ロムくん、競走馬生活お疲れさま!!!!
一度も現地に行けなくてさ、まんま馬名のとおりに"離れた場所から"しか声援を送ることができなくてホントごめん🙏
中山で勝ってくれた時の興奮は何物にも替え難い素晴らしいものだったし、君を応援する方々との縁を作ってくれたことも含めて、ロムにはすごく感謝してるんだ✨
こうして君と繋がれたことをとても光栄に思うし、毎週ドキドキワクワクさせてくれてどうもありがとう❤︎
今度は『いつかロムくんの乗馬大会へ応援に駆けつける』っていう新たな目標ができたんだぜ٩( ᐛ )و
これからはとびっきり飛越の上手な乗馬になって、新たな舞台でがんばっていってほしいよ📣
【馬名を応募した経緯】
はじめて愛馬に命名できたこと。 - sting like bee
【ロムくんの命名記念品について】
命名記念品が届きました⤴︎ - sting like bee
【susitoreさんの心温まるイラスト】
【初勝利時のカラフルな馬服姿】
【ラストラン時のクラブ公式写真】
【生涯成績】
【ロムくんテーマソング】
RYO the SKYWALKER「From Distance」 【Official Music Video】 - YouTube
【この記事のタイトルはこの楽曲から】
Beres Hammond- Love from a Distance - YouTube
[最後に]
フロムディスタンス出資者のみなさまへ
募集馬時代からロムくんをご一緒に応援できたことは自分にとってすごくうれしく充実した時間でした✨
また他の愛馬でご一緒させていただくこともあるかと思いますので、懲りずにどうか今後ともよろしくお願い致します
また、ロムくんのプロフィール写真の素材を提供してくださったゆーさんには日頃から大変お世話になっていますが、この場からあらためて御礼申し上げます(´ー`)
ありがとうございましたー!!
それではまた!
me ke aloha pumehana
※このブログではローレルクラブ・ターファイトクラブのホームページ掲載情報から転載許可をいただき記事にしています
また、ノルマンディーオーナーズクラブについてはクラブに事前連絡を行い、ホームページ掲載情報を一部引用させていただいております